初めての水草アクアリウム

底面式フィルター

底面式フィルターでは、穴がたくさん開いたスノコ状の板を水槽の床に敷いて、その上に底砂を入れます。 このスノコ状の板の隅からパイプが一本直立し、水面近く、あるいは水面の上にまで顔を出しています(出水口の高さは、一定範囲内で調節できます)。

エアポンプやモーターを動力として、飼育水が底砂を通過して、スノコ状の板の下を通って、直立しているパイプを経由して水槽上部に吐き出されるという仕組みです。 つまり、底砂を濾材として用いているわけです。

エアポンプで作動する方式の底面式フィルターは、エアポンプを別途に購入する必要があります。

底面式フィルターのデメリット

底面式フィルターには次のようなデメリットがあります:

デメリット@ フィルターを交換できない

底面式フィルターのデメリットとしてはまず、フィルターの交換が実質的に不可能であるという点が挙げられます。 底砂の下にフィルターを敷くので、フィルターを取り出すには底砂を全部取り出す必要があるためです。

水草水槽において底砂を取り出すというのは、水槽をリセットするのと同じことです。 底砂中に(そして底面フィルターの内部にまで)張り巡らされた水草の根や、底砂中の肥料が台無しになるだけではなく、底砂中に形成されて安定していた好気バクテリアと嫌気バクテリアの層も滅茶苦茶になってしまうからです。 コケだらけでなりに安定していた水槽という1つの環境が破壊されてしまうのです。 ですので、「底面フィルターの取り外し=その水槽の終わり」と捉えて差し支えありません。

デメリットA 底床中の肥料の流出

底面フィルターのもう1つのデメリットとして、普通に使用していても底床(=底砂)中の肥料が水槽内に流出してしまうということが挙げられます。 肥料が蓄積している底砂の中を通った水が水槽上部から吐き出されるという仕組みのためです。

ただし、セッティング時に通常は二層構造(肥料を混ぜた層の上に、肥料を含まない層を設ける)にする底砂を三層構造(肥料を混ぜない層、混ぜた層、混ぜない層)にすることで、底面式フィルターを用いても底砂中の肥料の流出を抑えることが出来ると考えられます。

個人的体験談
わたしが以前試みた底面式フィルター(エアポンプ式のもの)を用いた水草水槽では、底面式フィルターの上に活性炭の層を設け、その上に腐葉土と草木灰の層を入れ、その上に鹿沼土の層を作りました。 このようにすることで、腐葉土と草木灰の肥料分を含んだ水が活性炭の層を通り抜ける時点で、肥料分が活性炭に吸着されて、飼育水中に戻される水にはあまり肥料分が含まれないのではないかと考えたのです。

さらに、時間が経てば、活性炭(と腐葉土)が分解されて二酸化炭素になり、二酸化炭素無添加でも水草の光合成の気泡が見れるのではないかとも期待していました。

その結果はしかし、水槽一面が藍藻に覆い尽くされるというひどい有様でした。 エアチューブで藍藻を吸い出しても吸い出しても、すぐに藍藻が復活するので、結局、その水槽を諦めることになりました。

その水槽を諦めた後で知ったのですが、活性炭にはリン酸が使われているものがあるそうで、それが藍藻の原因だったのかもしれません。

藍藻だらけだったし、光合成の気泡は確認できませんでした(いま考えると光量も足りていなかった)が、水草(クリプトコリネ・パルバ)の成長自体は良かったので、底面フィルターでも水草水槽は十分可能だと思います。

デメリットB 二酸化炭素のロスと、水流の弱さ

底面式フィルターには、動力としてポンプを用いるものと、エアレーションの浮力を用いるものがありますが、後者の場合にはエアレーションの強さに比して水流が弱いという欠点があります。

二酸化炭素を添加する場合には、少々のエアレーションなら二酸化炭素のロスも無視できる程度なのですが、そのような少々のエアレーションによる程度の水流では、二酸化炭素を水中に溶け込ませ、さらに水槽全体に行き渡らせるには不十分です。 逆に十分な水流を確保しようとすると今度は、水草水槽にしてはエアレーションが強すぎるということになります。

底面式フィルターのこれら3つの欠点は工夫により解決できるでしょうし、それを考えるのも楽しいのですが、「とにかくまずは光合成の気泡を見たい」という人は、特に底面式フィルターを使いたいという理由が無い限り、他のタイプのフィルターにしておくのが無難でしょう。 コストパフォーマンスに優れているわけでもありませんし(エアポンプの値段が意外に高いし、すぐ壊れる)。

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