初めての水草アクアリウム

怪我をした手でアクアリウムの水に触れると感染症のリスク

米国の Henry Ford Hospital の研究によると、アクアリウムの水が皮膚の感染症の原因となることがあります。 この感染症の原因菌は "Mycobacterium marinum" という細菌です。 "marinum" という名前が付いていますが、海水だけでなく淡水のアクアリウムにも生息しています。

M. marinum は主に魚が感染する細菌で、「魚の結核」とも呼ばれていますが、感染した魚や、感染した魚の住んでいる水に触れると、ヒトにも感染の危険があります。 手や腕に生傷があるときに水槽の水に手を突っ込むことで感染します。 魚のヒレや歯で怪我をしたときにも感染する可能性がありますが、小型水草水槽で飼う魚の場合には、その心配は無いでしょう。

M. marinum 感染症は、ペットショップの店員が感染する職業病として知られていますが、アクアリウム愛好家が感染するケースが大勢を占めています。

この研究は 2003〜2013年にかけて行われたもので、その間に M. marinum 感染症と診断された患者は5人、年齢は43〜72才でした。

感染人数が10年で5人と少ないのは、M. marinum が37℃以下の温度を好み、哺乳類への感染が稀であるためです。 感染部位も、人体の中でも体温が低い肘や、膝、脚、手、指先などであるのが普通です。 M. marinum に感染された生傷は完全には治らずに、傷口に沿って小結節(小さなコブ、イボ)が生じます。

皮膚に病変が生じるまでの潜伏期間は11〜56日で、治療には抗生物質が有効でしたが治るまでに平均で161日もかかりました。 M. marinum は、感染しても2〜4週間は症状が表れないために原因の特定が困難で、そのために適切な治療が遅れるケースが目立ちます。

M. marinum は結核やハンセン病の原因菌の仲間ですが、これらよりも病毒性はずっと弱く、感染力もあまりありません。 また、結核菌などと違って非定型マイコバクテリアであるので、効果のある抗生物質も複数存在します。

淡水の熱帯魚での M. marinum の症状は膿疱ですが、この膿疱は皮膚の下に生じるので魚から魚へは滅多に感染しません。 魚が M. marinum に感染する原因は、エサ不足によるストレス、不潔な環境、低水温などです。

この研究は、2013年10月に開催された "Infectious Diseases Society of America(米国感染症学会)" で発表されました。



ソース:
  • http://www.eurekalert.org/pub_releases/2013-10/hfhs-ssi100313.php
  • http://www.wisegeek.com/what-is-mycobacterium-marinum.htm
  • http://en.wikipedia.org/wiki/Mycobacterium_marinum
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