初めての水草アクアリウム

トリミング

トリミングとは、伸びすぎた水草をカットすることです。 植木の剪定と同じようなものです。最初に水草を植え込むときに、根や茎を短く切ってから植え込みますが、植え込んだ水草から新しい根が出て根付き、新芽も出て順調な成長を見せた後に最初のトリミングを行います。

水草トリミング用のハサミなるものも売られていますが、普通のハサミで十分です。 小さめのハサミが使い易いでしょう。

有茎草の場合

有茎草の場合は、背が高くなり過ぎた草の上の部分をカットします。 生命力に溢れる美しい新芽をカットするのでもったいないように思いますが、すぐにまた新しい芽が出てくるので大丈夫です。

水草を観賞したい位置よりも少し低いところでカットすると、次の新芽がちょうど良い高さで出てきます。

有茎草を増やしたい場合には、長めに切り取って、それをまた植えます。 そうすると、切られた草と新しく植えた草の両方から新芽が出ます。

ロゼット型の場合

トリミングは不要です。 古い葉が汚くなったら取り除くだけです。 ロゼット型の水草は、ランナーやシューターで増えます。 増やしたくないときや、他の水草を植えている区画に増えそうなときは、ランナーやシューターをカットします。

ランナーやシューターというのは、芋の蔓(つる)みたいなもので、株から横に伸びていき、新しい株を形成します。 地面を這うタイプのものがランナーで、水中ににゅっと突き出るタイプのものがシューターです。

トリミングをせずに放置していると

トリミングをせずに水槽を放置していると、まず有茎草が水面にまで達した後に水面に横倒しになって伸び続けます。 そうして水面が有茎草によって完全に覆われてしまい、水中に光が届かなくなります。

ウイローモスやタヌキモが入っている場合には、それらがごちゃごちゃに絡み合って成長してもじゃもじゃになり、有茎草と絡み合って混沌に拍車をかけます。

水中に光が届かなくなるので、前景草のうち強い光を好むものが枯れてしまいます。 自然環境において木陰に生息するクリプトコリネの仲間は生き残ります。 水面を覆う有茎草自身も、光が当たらない茎の下のほうの葉が落ち、やがては茎も朽ちてしまいます。

ただし、水面近くの光が当たる部分の有茎草は元気です。 また、水槽の下のほうであってもガラス面近くはガラスによる光の反射のためでしょうか、かなり元気です。 したがって、トリミングを放置した水槽は、一見元気に育っている水槽の上側と前後左右の内側に光量不足で枯れてしまった水草が詰まった状態となります。

この状態に至ると、アレロパシーのためでしょうかアオミドロ以外のコケには不思議とあまり悩まされませんが、育成者のやる気も無くなっているのが普通であるため、もはやあまり意味もありません。

放置状態からの復活

上記のごとき状態に至ると、前景草の中でも強い光を好むヘアーグラスやグロッソスティグマは絶滅している可能性もあります。 が、2〜3本でも残っていれば十分に復活は可能ですので、絶滅危惧種に指定して大事にしてあげましょう。

放置状態から復活するにはまず、水面に伸び放題になっている有茎草をバッサリとカットします。 引き抜いてしまうと底砂が乱れるので、引き抜かずにカットします。 そして、カットした部分を水に漬けて保存しておきましょう。 後で使います。

水面の水草を除去すると、荒れ果てた水槽内部の様子が明らかになります。 有茎草の枯れた下部は根元からカットするなどして除去し、茎が元気なものはそのまま残します。 同時に枯れ草にまぎれて絶滅したと思われる種の前景草が生存しているかどうかをチェックし、生存が確認されたらすかさず絶滅危惧種に指定します。 大事なのは遺伝子です。

水槽内の枯れ草などのゴミの除去が終わったら、残存している有茎草の下部の量を勘案しつつ、水面からカットした有茎草上部の中から元気なものを適量選んで植えてゆきます。 この際、絶滅危惧種に十分に光が当たるように配慮します。 そもそも光不足で絶滅寸前まで追い込まれてしまったのですから...

この時点では、水草のレイアウトは二の次です。 絶滅しそうな種を存続させること、そして元気な水草の量を揃えることを主眼とします。

このようにして、伐採、枯れ草の処理、および植え直しが終わったら、二酸化炭素を用意しましょう。 水槽がこのような状態にまで至っているのですから、きっと二酸化炭素の添加も怠っていたに違いないのです。

ただし、魚が健在でエサを毎日与えていたのであれば、二酸化炭素の添加を再開する前に、水換えをしておくのが良いかもしれません。 硝酸塩が溜まっている場合に、二酸化炭素を急に添加すると pH が急激に下がってしまう恐れがあるためです。

水替えも、生物が pH ショックを起こさないように、少しずつ換水するのが良いでしょう。 ほったらかしの水槽というのも、その環境に適応して生きていた生物にとっては安定した環境です。 ですので、水換えのような環境の変化は徐々に行いましょう。

植えなおした水草や絶滅が危惧されていた水草から新芽が出てきたら一安心です。 水草の量を増やして、今度はレイアウトにも気を使ってトリミングしてゆきます。

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